3.知彼知己、百戦不殆。クリエイターがすべき市場調査

市場調査

クリエイターのためのビジネススタートアップガイド」三回目は、独立前の準備の一つとして、「市場調査」をフューチャーします。

「知彼知己、百戦不殆。」(敵を知り、己を知しらば百戦危うからず by孫子)
ビジネスには情報が必要です。
市場調査は、あなたが独立して活躍しようとしている土俵(以下、「市場」と呼びます)についての基本的な情報を与えてくれます。
市場調査によって得られる情報は、あなたの事業の実現性や可能性を計るのに役立つでしょう。
そこで今回は、あなたが独立して事業をはじめる前に実施しておくべき、予備的な市場調査についてのガイダンスを提供します。今回の内容も、すでに独立している方や企業内で活躍している方にとっても基礎的ながら非常に重要な内容となっています。

今回の内容は、前回のSWOT分析などとも深く関わってきますので、予め前回の内容をご覧いただくとより理解しやすくなっています。

市場調査の目的

市場調査は、次のような事柄を明らかにするために役立ちます。
いずれも、ビジネスをはじめるならば事前に考えておかなければならないこととなっています。

  • あなたの顧客(候補)は誰か
  • あなたの競争相手は誰か
  • どこで、どのように、取引すべきか
  • あなたが活躍しうる市場とその市場規模
  • 価格方針
  • 最適なプロモーション方法やマーケティング方法
  • 予想売上収入

市場調査の進め方

具体例をいくつか示します。

  • 市場調査に関する「1日入門コース」等のセミナーやプログラムに参加してみましょう。本を1冊読んでみるのも良いでしょう。
  • 自分の作品をどのように売り出すことができそうか考えてみましょう。それを、顧客になりそうな人(潜在顧客)に話してみましょう。
  • もし小売業者やギャラリーとの取引も視野に入れているのならば、積極的にバイヤーと話し、彼らの意見に真摯に耳を傾けましょう。
    たとえ批判的な意見であっても、あらゆるコメントをメモしておくことが大事です。それは企業があなたの作品に興味を持っている表れですし、それを知ることができるのも市場調査の良いところです。
  • 作品を提示するときは、実際の試作品やサンプルを提示するよう努めましょう。もし複数の人から肯定的な反応が得られれば、本格的に営業を開始する自信を持つことができるでしょう。
  • 他のデザイナーや競争相手の活動を注視して、彼らがどのようにやっているのか見てみるのもいいでしょう。Skillots(スキロッツ)では、他のクリエイターのプロフィールや実績を通じて多くのことが見えてくるはずです。
    また、ファッションやライフスタイルの最新動向(トレンド)をよーく掴んでおきましょう。
    ギフトショーやデザイン展なども定期的に訪れて、予想されるトレンドの変化に注意しましょう。
  • ネットワークづくりに励みましょう。「○○協会」や「○○商工会議所」のようなフォーマルな団体に顔を出すのもよいですし、もっと気軽なグループやコミュニティに個人的に参加するのもよいでしょう。どちらも大切です。SNSなどをネットワーク作りに利用するのもいいでしょう。
  • 製品が実際にどのように製造されるのか観察したり、企業がどのように販促活動をしているか調査しましょう。これは、あなたのアイデアを具体的に膨らますのに役立つはずです。

市場情報の情報源

あなたの情報源となるものを以下に例示します。
なかには実地調査が必要なものもありますし、インターネットなど机上調査で済むものもあります。
自分のビジネスアイデアに最も相応しいものを選べばよいでしょう。とにかく情報収集をはじめることです!

  • 自分と似た分野でビジネスを立ち上げているデザイナーたち
  • 業界団体や会社名鑑、職業別人名録、電話帳など
  • 各種アドバイスやネットワークづくりの場を提供している専門家団体や協会など
  • 各地の商工会議所、中小企業支援センター、JETROなど
  • 地元の図書館や都市部の中央図書館
  • 新聞や業界誌
  • 各種のマーケティングレポート
  • インターネット
  • 競争相手 - どこに販売しているのか?価格帯は?ブランド名は?マーケティング戦略は?
  • 業界別展示会、トレードショー
  • 店舗、ギャラリーなど - どのようなものが売れているのか?
  • 大学や専門学校等 - 未来のクリエイターを育てている機関です

調査対象1:あなたの潜在顧客

顧客リストをぜひ作ってください。
もしすでに商品を販売したり、サービスを提供したりしているのならば、そうした既存顧客のデータもリストに加えましょう。

    • 誰があなたの顧客になりそうか。
      (例)広告代理店?メーカー?卸売業者?小売業者?エンドユーザー(個人やオフィスなど)?
    • 彼らはどこにいるのか。
      (例)同じ地域に?同じ地方に?国内に?あるいは海外に?
    • どこでどのようにして、彼らを見つけることができるのか。
      (例)Skillots、業界誌、トレードショー、会社名鑑、代理人を通じて
    • どのように彼らとの接点を確保するのか。
      (例)Skillots?個人的に直接?代理人を通じて?トレードショーで?店舗で?ギャラリーで?
    • 彼らのニーズは何か。
    • 彼らの購買パターンはどうか。
    • 彼らはどこでどのようにして取引しているのか。

(例)Skillots?トレードショーで?買付に出かける?

    • 彼らは現有の商品・サービスをどこでどのようにして仕入れているのか。
    • 彼らは新サービスや新商品のことをどのようにして調べているのか。
    • 彼らが商品・サービスを選択する際の基準は何か?

(例)主に価格重視?主に品質重視?

調査対象2:競争について

競争相手の存在は常に意識しておく必要があります。
手始めにSkillotsで他のクリエイターの活動を調べてみましょう。

  • あなたの競争相手は誰か。
  • 彼らはどの程度の定評があるか。
  • 彼らの売り物は何か。
  • 彼らの売り場所はどこか。
  • 彼らはどのように商品・サービスを売り出しているか。
  • 彼らについてのファイルをつくるべし - 彼らの広告、ダイレクトメール、PR用品等を集めておきましょう。
  • 彼らは自分自身をどのように位置づけているか - 彼らの哲学や理念は?
  • 彼らはどのように事業運営しているか - あなたと直接的に競合するのか。
  • 彼らの顧客は誰か。
  • 彼らの事業目標は何か - 彼らが長期的に目指していると思われる戦略、事業理念、目標などについて、おおまかでも推定してみましょう。
  • 彼らの市場規模はどのくらいか。
  • あなたはなぜ自分の商品・サービスが彼らよりも優れていると言えるか。
  • 彼らの強みは何か(前回やった「SWOT分析」の「S」です)。
  • 彼らの弱みは何か(前回やった「SWOT分析」の「W」です)。
  • 彼らの機会は何か(前回やった「SWOT分析」の「O」です)。
  • 彼らの脅威は何か(前回やった「SWOT分析」の「T」です)。

最初は精度が低くてもいいので、以下のことについて調査や計画・推測をしてまとめておきましょう。
経営者としての視点をもつトレーニングにもなり、顧客への提案力もアップします。

  • あなたはどのようにして自分の作品を販売するのか。
  • あなたの販売活動に掛かるコストはどのくらいか。
  • あなたの見込売上高はどのくらいか。
  • あなたはどのようにして新規取引を獲得するか。
  • あなたは1週間のうち、あるいは1ヶ月のうち、どの程度の時間を営業やマーケティング活動のために確保するか。
  • あなたはどの程度の時間を、販売後のフォローアップのために確保するか。
  • あなたは自分が選んだ市場の将来性をどう見ているか - 成長しているのか、縮小傾向にあるのか。

市場調査を終えたら

以上の内容について市場調査を終えたあなたは、自分が活躍しようとしている市場について、実に多くのことを知ることができるはずです。
さあ、あなたの市場はどのような市場なのか、ぜひ書きとめておいてください - 市場はどこにあるのか。どのようにして接点をつくるのか。あなたの商品・サービスのメリットは何か。独自のセールスポイントは何か。なぜあなたから作品やサービスを買うのか。競争相手からではないのはなぜか。頭で考えただけでは忘れるしブレますので、本当に自分で書いておくとよいです。
そうしたら、どのようなプロモーション方法がもっとも効果的かについても考えてみましょう。その活動にはどのくらいのコストが掛かるのかについても考えてみることも大切です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
記事に誤りなどがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。また、ご意見・ご感想などもお気軽にお寄せください。
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この記事の著者

藤田 健プランニングディレクター

Skillotsを含むエフ・プラット株式会社の全てのサービスの企画・運営責任者。
神奈川県出身・中野区在住。

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  1. 2011年 7月 20日


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