- 2011-8-5
- クリエイターのためのビジネススタートアップガイド
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クリエイターのためのビジネススタートアップガイド、第5回目は「どのようにして事業資金を調達するか」についてお話しします。少し内容が濃いので、2回に分けて説明します。
今回の内容は、前回の内容とも深く関わってきますので、必要に応じて確認してください。
ビジネスプラン
事業を始めるに当たっては、その事業資金をどのように調達するのかについて、ビジネスプランの中にある程度、詳しく説明する必要があります。
そして、
- それだけの金額が本当に必要であること
- 可能な限りの資金調達方法についてあなたが真剣に考えたということ
- 調達した資金を君が浪費しないであろうと信頼できること
といったポイントについて、プランを読むすべての人を納得させる必要があるのです。
あなたのビジネスプランがこれらの点について深謀遠慮さを欠いていれば、資金調達の成功見込みはゼロでしょう。
もしあなたが他人から資金を集めて行なった事業が結果的に失敗した場合、その人たちはお金を失うのですから。
そして彼らが「あなたのビジネスプランには重大な欠陥があったのではないか」と疑念を抱いた場合、あなたはその過失について告発されたり、下手をすると不正行為や詐欺などで訴えられることもあります。
あなたにとって破滅的な結果を招くこともありうるのです!
開業資金の用途
開業に当たりどのようなものに対してどれくらい費用が掛かるのか それぞれの概算費用とともに、ビジネスプランの中にリストアップする必要があります。
開業資金の用途としては、おおむね次のようなものがあるでしょう。
- 機械設備(コンピュータなど)、器具備品(オフィス家具や器材・電気製品など)、車両運搬具などの購入またはリース
- 仕事場の賃貸(敷金・保証金も)、整備・改造、配線、器材設置、不動産業者の手数料や引越し等に掛かる費用
- 商品材料・部品等の買入れなどに掛かる費用
- 営業用資金-名刺やパンフレット作成、プロモーション活動など当初の営業販売活動に掛かる費用
- 当初の手持運転資金 - 開業後、注文が入ってお客から代金の支払いがあるまでの間も(数ヶ月間に及ぶかもしれません)、事業をしているからには賃料や金利・諸税、サービス諸費用、水道光熱費、仕入代金や外注費、従業員がいれば給料、それにあなた自身の(適切な)生活費を支払っていく必要があるのです。
開業資金の調達先
開業に必要な資金をまかなうために、複数の調達先を見つけなければなりません。
- あなた自身の預貯金 - 若い開業者のほとんどは十分な貯金や資産を持っていないのが実情だ。だが、あなたが「お金を出してほしい」とお願いした相手はきっと、まずあなたがどれだけの預貯金や資産を持っているのか聞くでしょう。そして、もしあなたが預貯金を持っているならば、あなた自身のお金も出すよう求めてくるはずです。その事業に対する君の思い入れや本気度を判断するためです。もっとも、あなたがお金を出せれば出せるほど、最終利益に対するあなたの取り分は大きくなりえます。
- あなたの親類 - あなたのことが可愛くて仕方ないご両親や、お金持ちで心優しいおじさんがいるかもしれません!
- その事業でフルタイムに働いてくれる人 - いまは熱意あふれる仲間やパートナーも、あなたほどのビジョンや思い入れを持たず、将来には事業拡大の障害となりうることに留意しておきましょう。(まぁ、これは現在のあなたの彼女/彼氏や配偶者についてもいえることですが。)
- ビジネス経験があり快くあなたの助言者になってくれそうな人、もしくは(会社組織にするなら)非常勤取締役となって事業に投資してくれる人。
- ベンチャーキャピタリスト - (日本には少ないですが、)良いベンチャーキャピタリストは、あなたの事業の発展を多方面から積極的に支援してくれるはずです。ですから、出資見込者と話す場合には必ず、お金以外の面でどのような支援をしてくれるのか尋ねましょう。
- 銀行
- 低利融資 - 次回触れます。
- 助成金 - 公的機関の中には、開業者に対して返済不要の助成金を出しているものもあります。(ただし応募者が多いので倍率は高いです。よほど斬新なビジネスアイデアでないと獲得は難しいでしょう。)
資金調達を成功させるための実用的ヒント
- 経理や簿記について公的講座や短期コースなどがあれば参加してみましょう(商工会議所等でも開催しています)。もちろん巷には本や初心者用ソフトなども出ていますが、講座に参加すれば質問もできるし、自分と同じ段階にある人たちと知り合うこともできます。
- 経理担当者をパートタイムで雇うことができないか、もしくは会計士・税理士など専門家に数字の管理を依頼できないかについても考えてみましょう。覚えておこう - 何から何まですべてを自分でする必要は無いのです。可能ならば人を雇いましょう。
- 毎週一定の時間を事務作業に割り当てましょう。
- 事業を行なっているうち、銀行と事前設定した借越限度を超えてしまいそうな場合は、早めに銀行に伝えましょう。事前に連絡を入れて理由をきちんと説明しておけば、ことが起きてから事後的に伝えるよりも、銀行ははるかに支援的になるでしょう。
- 銀行諸掛や支払金利も予算にしっかり組み入れておきましょう。たとえば1年目には免除されていた金利や諸掛が2年目から掛かるという場合もあります。
- 資金や帳簿など財務的なことがらを敬遠してはなりません。独立して仕事をする以上、毎日取り扱わなければならない問題なのです。キャッシュフロー、与信管理、損益など経営上の様々なことが、そのうちわかるようになります。いったん基本を理解してしまえば、ビジネスをコントロールしているという実感が得られることでしょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!次回も資金調達のお話のつづきです。
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