- 2011-7-20
- クリエイターのためのビジネススタートアップガイド
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クリエイターのためのビジネススタートアップガイド、第4回目は「ビジネスプラン」についてです。
今回の内容は、前回、前々回の内容とも深く関わってきますので、必要に応じて確認してください。
市場概要、事業運営、資金調達、売上目標、マーケティングなど、あなたのビジネスについて具体的な内容を書面にまとめたものがビジネスプランです。
なぜビジネスプランを書くのか
ビジネスプランを書くことによって、これから起こる出来事を予測し、実際に起きたことと予測したこととを比較検証することができ、適切な軌道修正を図ることができます。
事業を始めるとき、我々はたいてい頭の中ではビジネスプランを持っているものです。
そのプランを、自分自身との決め事として紙に書留めておけば、事業の発展度合いをチェックしたり、ものごとの優先順位を決めたり、最適なスケジュールを組んだり、
運営上の決定をしたり、リスクをとったり、資金調達をしたりするときに役立つはずです。
ビジネスプランは、経営者(あなたのことです)が、自ら起こした事業の進み具合を測定するための「ものさし」となるのです。
覚えておきたいポイント
ビジネスプランを書くにあたって、下記の点を考慮しましょう。
- あなたは「顧客」を自分のビジネスの中心に位置づける必要があります。
顧客はあなたに2つの質問を投げかけるでしょう。
「あなたは何をしていますか?」
「あなたのしていることに対してお金を出す価値はどこにありますか?」
あなたのビジネスプランは、これらの問いかけに対する答えを用意しなければなりません。 - ビジネスプランには様々な「読者」がいます。
たとえば銀行が求める情報は、あなたの仕事のパートナー候補が求める情報とは異なるでしょう。
自分のビジネスプランの内容が見せる相手に応じて適切かどうか、必要な情報がきちんと含まれているかどうか、よく確認しましょう。 - 自分のビジネスプランや目標を、常に見直して修正しましょう。
もしプランの中に変更が必要な部分があるならば、作り直すことをためらってはいけません。
そのようなときは、信頼できる人に助言を求めたり、必要ならば銀行と話をしてみるべきでしょう。
隠れた問題を手遅れになる前に洗い出し、対処しようとする姿勢・能力を示せば、銀行のあなたに対する信頼はむしろ高まり、運転資金が苦しいときなど追加融資で支援してくれることもあります。 - 自分のビジネスプランを「やるべきこと(To Do)リスト」として活用しましょう。
自分が「やる」と計画したことはきちんとやりましょう。そして必要に応じて新たな活動を加えていきましょう。 - プランの中の個々の部分を、それぞれ別個なものと考えるべきではありません。
ビジネスが全体としてうまく発展していくためには、個々の領域が相互に関連し合い、補完し合う必要があるのです。 - 自分のプランについて現実的になりましょう。楽天的過ぎてはいけません。
覚えておきましょう-あなたが設定する目標は、事業を続けていくために、きちんと達成していくべきものなのです。
とはいえ過度なプレッシャーを感じる必要はありません。ビジネスを楽しむことが何より大事です!
ビジネスプランに何を書くか
ビジネスプランには、下記のような項目を入れ込むことを検討しましょう。
◆表紙
ビジネスプランのタイトル、あなたの名前と連絡先
◆目次
内容とそれぞれのページ番号を記しておきましょう
◆イントロダクション
ビジネスアイデア、商品・サービス、あなたの仕事場の所在地および法人名(個人事業者の場合は屋号)
◆実施した市場調査について
「3.知彼知己、百戦不殆。クリエイターがすべき市場調査」を参照してください
◆制作予定の作品について
見栄えのよい写真、プロモーション用資料、メディアの取材記事があればそのコピー
◆あなたの仕事場について
スタジオの概要など(仕事場については、今後の記事で説明する予定です)
◆SWOT分析について
「2.はじめの一歩」を参照してください
◆作品の価格について
詳しくは、今後の記事で説明する予定です
◆事業目標
3年後に目指す姿と、どのようにしてそこにたどり着くつもりか
◆どのような資金が必要か
開業費用のほか、お客から支払いがあるまでの間ビジネスを継続するために必要な資金繰りを含めて
◆事業運営者について
あなた自身やパートナーの略歴や紹介
◆事業運営方法について
アクションプラン-実際にどのようにして日々の事業を運営するのか
◆マーケティング活動について
顧客開拓の方法や営業販売の活動
ビジネスプランの作成にあたっては、グラフを活用したりレイアウトを工夫したりして、プロフェッショナルらしさを演出しましょう。
資金について
ビジネスプランにおいてきわめて重要な部分となるのは、「資金」についてです。
これについては次の第5章「資金調達」で、2回に分けて詳しく説明するつもりです。
◆ビジネスプランの中で、費用が掛かる要素をすべて網羅しているかどうか、何度も再確認してください。
融資や出資を受けようとする場合、この部分は必ず聞かれるからです。
◆数字に矛盾点がなくなり、資金繰りで困らぬために何をすべきか理解したならば、このビジネスプランを販売・マーケティング活動の指針として活用できます。
ビジネスプランの資金的な部分は、顧客をどれだけ持つべきか、どのような方法で作品を販売・プロモーションすべきか、といったことと密接に関連してくるのです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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