2.はじめの一歩

はじめの一歩

クリエイターのためのビジネススタートアップガイド」二回目は、独立して仕事をしたいと考えているデザイナーのための、はじめの一歩としてのガイダンスです。
これから独立しようと考えている方にはもちろん、すでに独立している方にとっても、自分のやっていることをもう一度よく見直すきっかけとして参考にしてください。
独立を志していない方にとっても、組織内でのクリエーターとしての生き方を考える上で大いに参考になるはずです。

なぜ独立するのか?

独立したクリエイターを対象に行なったある調査によれば、「自分の仕事を自分でコントロール」し、「自分自身をクリエイティブに表現」する自由を得るために独立する方が多いようです。
また、「独立性の確保」や「自己の能力向上」といった動機で独立する方も多いです。
「金銭的報酬」は必ずしも主要な動機ではないようです。たくさんのお金を稼ぐことができる可能性よりも、魅力あるライフスタイルを得ることのほうが重要なようです。
なんにせよ、自分への問いかけとして、「なぜ独立するのか(したのか、しないのか)?」、を明確にしておくことは、非常に重要なことです。差し出がましいようですが、これを機会に答えを出しておくのもいいでしょう。

はじめる前に

ビジネスプラン作りに取り掛かる前に、以下の事項についてよく考えておきましょう。

  • 何があなたを突き動かしたのか、この仕事のどこが楽しいのか、よく再確認しましょう。
    そのことを軸にして、ビジネスのアイデアを練る必要があります。
    あなたの価値観そのものが、ビジネスの中心に据えられていなければなりません。
    ビジネスの中に自分をインスパイアする要素がある、ということは、きわめて重要なポイントです。
    なぜなら、それなしにビジネスをはじめると、ベッドから起き上がって仕事をする気になれない日が、いつかきっと訪れるからです。
    特に独立をしている/志す方は、モチベーションの所在(拠り所)を確保する必要があるでしょう。
  • 自分の中にある「自然な感覚」を用いて、自分の未来のビジネスの姿をイメージしてみましょう。
    思い描き、デザインし、ビジネスモデルとして具体化していきましょう。
  • あなたのビジネスアイデアは何でしょうか? 文章や図にして書いてみるのもよいでしょう。もしこの記事のコメント欄に発表できる方がいたら、みなさんに発表して、意見を求めてみてはいかがでしょうか。
  • あなたならではの強みは何でしょうか? クライアントがなぜ、他の人からではなくあなたのサービスを受けたいと思うのでしょうか。自分自身に問いかけてみてください。
  • あなたが成し遂げようとしている目標は何でしょうか? ひとつの文章でこれを表現すれば具体化への第一歩となるはずです。
  • 自らの目標をどのようにして果たすことができるでしょうか。考えてみましょう。
  • 自分の略歴を書き、ポートフォリオを作ってみましょう。あなた自身のプレゼンテーションに関しても、今後の記事で解説するつもりです。

SWOT分析

swot分析

swot分析

前回行なったチェックリストと関連して、この章では「SWOT(スウォット)分析」を行なってみてください。
自分自身の「強み(Strengths)」と「弱み(Weaknesses)」、自分自身を取り巻く「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」について分析することを、企業経営では「SWOT分析」と言います。

 

◆あなたの「強み」-個人的な強み、ビジネス面での強み
・・・たとえば、自信、集団をまとめる力、使命感、あなたの商品やアイデアの強みなど

◆あなたの「弱み」
・・・たとえば、ビジネス知識や経験の不足、仕事スペースの不足、人脈不足など

◆あなたのビジネスを発展させるために活用すべき「機会」(チャンス)
・・・たとえば、コンペ、個展や展示会、人脈、成功者など

◆あなたのビジネスにとっての「脅威」(リスク)
・・・たとえば、競合相手、市況悪化、金利動向、その他の外部要因など

「弱み」や「脅威」を克服するために、あなたは「強み」と「機会」をどのように活かすことができるでしょうか。

もしも「弱み」や「脅威」の程度が「強み」や「機会」の程度を上回るのであれば、あなたはどうすればビジネスを発展させていくことができるのか、さらに検討しなければならないでしょう。もしくは商品・サービスを変更する必要があるかもしれません。

特にどの部分が課題となっているのか、そして、それに対してどのようなアクションをとる必要があるでしょうか。

さて、あなたは自分自身にとって、どのようなトレーニングが必要だと気づいたでしょうか。(たとえば、ビジネスプランニング、経理、プレゼンテーション能力など)

自分の「SWOT分析」の結果を、先ほど考えたビジネスアイデアや自らの目標と比較してみてください。

自己分析を踏まえて

もし、自分はまだ独立する段階にはないと判断したならば、自分のスキル、知識、ネットワーク、経験を高めることができるような職場で働くことを検討すべきでしょう。

自分はやはり独立しようと確信した人は、ビジネススキルについて学習とトレーニングをさらに進めていくことをおすすめします。

あるいは、すでに必要なスキル、情報、経営資源をすべて兼ね備えていると思う方は、自分のアイデアをビジネスプランに落とし込む作業に取り掛かる段階にきている、ということです。

すでに独立している方で、見直すべき点があると考えたならば、自分のビジネスについて再検討すべきでしょう。

事業形態のいろいろ

【個人事業】
これは最も基本的な事業形態です。
フリーランスの多くは、この形式でスタートします。
個人事業主となるには、特別な法的手続きは必要ありません。
使用予定の屋号と、必要ならトレードマーク、ロゴ等を商標登録しておくことくらいでしょう。
管轄の税務署に自営業者として開業届を提出し、必要なら青色申告事業者としての届出(青色申告承認申請書)を提出しておきます。税金は、自営業者として所得金額に対して課税され、事業に要する経費は必要経費として認められます。
国民年金や国民健康保険等の社会保険料も払う必要があります。
あらゆる事業取引を正確に記帳しておく必要があることも覚えておきましょう。
万一、事業が失敗した場合には、債権者に対して、あなたの個人資産から弁済しなければならないでしょう。

【共同事業】
2名以上の人がビジネスを運営(通常、自分たち自身もそこで働いている)し、合意した条件に基づいて利益(損失)を分かち合う形態です。
共同事業は、個人事業を立ち上げる場合とほぼ同程度に気軽にできると考えてよいです。ただし、できれば法律家等に相談してきちんとしたパートナーシップ契約書を結んでおくことを強くお勧めします。共同事業の利点は、そのビジネスに共通の利害関係を持つ人たちとリスクや意思決定を共有できるという点です。

【会社形態】(有限会社・株式会社)
個人事業主や共同事業とは異なり、会社形態はひとつの独立した法人格を持ちます。
万一、事業が失敗しても、経営者(取締役)は個人資産から弁済する必要がないのです。
もっとも、経営者が個人保証していたり(実際にはたいてい個人保証しています)、事業上で違法行為等があった場合は、その限りではないです。
個人事業や共同事業に比べると、会社を設立するほうが費用が掛かります。しかし、すでにある会社や休眠会社を他人から買い取ることも可能です。
もし、あなたが計画している事業形態が会社形態ならば、法律家等に相談して、きちんとした定款を作成することをお勧めします。また法務局で会社名の規則等について調べておきましょう。

【組合形態】
もし他の人と顧客を共有したり仕事場をシェアしたいと考えるならば、組合形態にしてしまうのもひとつの方法でしょう。組合は、あらゆる決定権限や利益をメンバー(構成員)数で等分する組織です。
しかし、すべての構成員から同意を取り付けるのは難しいこともあるし、作業量や貢献度合いなどあらゆる面において平等性を確保しようとすると、かえって問題を生ずることもあります。したがって、組合の構成員は、組合設立時に、書面で契約書を結んでおくことが不可欠です。もしあなたが個人的な事業目標や目的を持っている場合は、組合組織で仕事をすることはいささか窮屈に感じられるかもしれません。

略歴書

自分の略歴書を常に最新に保ち、正確か、よくまとまっているか、相応な情報をすべて含んでいるか、確認しておきましょう。略歴書には必要最低限の事項として、次のようなものを含めておきます。もちろん略歴書には決まったフォーマットはありませんので、それを見る方がどういった印象を受けるのか、また、見る方にどういった印象を与えたいかによって工夫してみるのもよいでしょう。

氏名
住所(郵便番号も)
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誕生年・出身地
出身校

個展歴
展示会への出展歴
受賞歴
プロジェクト等の受託歴
関連情報
作品説明

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
記事に誤りなどがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。また、ご意見・ご感想などもお気軽にお寄せください。

この記事の著者

藤田 健プランニングディレクター

Skillotsを含むエフ・プラット株式会社の全てのサービスの企画・運営責任者。
神奈川県出身・中野区在住。

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  1. 2011年 7月 20日


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