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自己紹介

 はじめまして。おきらくと申します。文章・イラストを得意とします。まずイラストについてご説明します。

 イラストはシンプルできらきらとしたものが得意です。デフォルメも通常頭身も描けます。

 つぎに文章についてご説明いたします、

 エッセイ・小説・シナリオ(どれも英文は不可)の作成が得意です。
・得意分野は、シリアス・ダーク・切ない・ほのぼの・ファンタジー(すこし不思議)・GL・NLなどです。
・文体の特徴は、感性豊か・繊細・うつくしい(過去に実際にいただいたお言葉)です。
・エッセイのご依頼の際に参考になる、おきらくの傾向としては、日常・フリーノベルゲーム・ネット文芸・イラストなどです。
 一応それぞれの得意分野について書かせていただきましたが、作風の幅は広く対応しております(くわしくはサンプル文章をご照覧ください)。

  • スペシャリストID:24605
  • 性別:非公開
  • 年齢:非公開
  • 活動年月:0年
  • 活動拠点
  • 最終ログイン:3ヶ月以内

登録作品

エッセー「浪漫を現実にしませんか?」

 浪漫が現実になるから買った。四角く、透きとおった光沢をはなつ機械を買った。
 イラストレーターになりたい。最近、強く思いはじめた。生徒時代はともかく、近年は目に見えて絵を描く頻度の少なくなっていた私が、そう思いはじめたのはVtuberのぽてちさん——尊敬の念をこめて敬称をつける——がきっかけだった。
 絵の制作から遠のいていたとはいえ、絵を見るのは変わらず好きである。メイキング動画や絵に関連するサイトをよくのぞいていた。その流れでぽてちさんの動画とであった。
 ぽてちさんはアバター系Vtuber——従来のVtuberとは違って、いわゆる『中の人』が存在しているVtuber——で、絵のすごく上手なかただった。彼女はメイキング動画やお絵かき配信を主にしている。中でも、私が一番楽しみにしているのは『ぽてペン先生』のシリーズである。これは視聴者からあるテーマのもとに絵を募集して――たとえば「目」だったり「上半身」だったり――集まった絵の中から何点か選び、それを添削するというライブ配信だった。
 私はこのシリーズを心底楽しんでいる。ライブ配信のアーカイブを繰りかえし見ている。というのも、素人の私には思いもよらない技術や、絵を描くときのコツ。そのようなものが非常にわかりやすく、添削という実例を以って、説明されているのだ。
『ぽてペン先生』シリーズを追う内に、創作意欲がぐつぐつと煮えてきた。描きたいと思った。私は、デジタルイラストを本格的に描く道具など持っていなかった……。
 あふれんばかりの意欲が消えない内だった。私は母親といっしょに、四角く透きとおった光沢の機械を、iPadを、買いにいったのだった。
 少々値が張ったものの、浪漫を現実にかえたかった。この衝動はどうしようもなかった。
 今の私はiPadとApple Pencil、それにイラスト制作アプリを用いて、しあわせな創作生活を送っている。浪漫が現実になった。浪漫が現実になった! これほどのしあわせはあろうか。いいや、ない!
 高揚感のままにきょうも、絵を描こう。
 あなたの浪漫はなんですか?
 浪漫を、現実にしませんか?

小説「魔法使いと空塗り屋」



 窓の奥から色の凍てた空を見上げる。ふぅとため息をつく。空にはいつものような色彩——黄、橙、桃など——がなかった。先日の台風のせいだろうか。灰色に凍てていた。
【空塗り屋】に、空をあざやかに仕上げてくれと頼まなければならない。でないと、あのひとも居心地が悪いだろう。わたしは外套をまとって外にでた……。
「それは無理な話なんだなぁ」
「どうしてだ」
 空塗り屋は悠長な口調で、こちらの要求をことわった。「金になる話だろう、どうしてだ」もう一度問えば「お空へのきざはしが壊れちゃったんだなぁ」
「空へのきざはしが壊れた?」そんな話、耳にしたことがない。疑問に思っていると、いまさっき壊れたとの答が返ってきた。
「冬ぎつねの野郎にがりがりっといかれたんだなぁ」
 冬ぎつねとは、この辺で有名な、いたずら好きのやんちゃ坊である。そのいたずらは度がすぎるときもある。
「冬ぎつねめ。しつけてやらないとな……いや、それよりも階段を直さないと。よし、空へのきざはしまで案内してくれ」
 空塗り屋にみちびかれた空のきざはしは、ひどいものだった。三段目から上にいけない。四段目が歯型だらけで、ところどころ穴が空いている。このきざはしは青の奇石——石の中でも、中々にかたいもの——でできているだろうに、冬ぎつねめ。中々にやる。
 まぁ、あのけものへの怒りはそこそこにして、修復しよう。
「直れ」と逆さ十字を切って、四段目に手をかざす。ぱぁぁと段が光って、歯型が消えていく。穴がふさがっていく……。
「いつ見ても魔法ってものはすごいんだなぁ」
 一部始終を見ていた空塗り屋は、感心したふうだった。「きざはしが直ったんだし、早く空を塗ってくれ」と急かせば、彼はのそのそときざはしを上っていった。
 冬ぎつねをこらしめた翌日、黄と橙と桃のあざやかさが空に咲いた。思わず、頬がゆるんだ。
 魔法が使えるから、とわたしはこのせかいの管理を任されている。このせかいは、うつくしくあらねばならない。管理を任せてくれたあのひと————先生のためにも。
「うつくしい空がもどってきました。そちらの心地はよくなりましたか、先生」
 空の中に呼びかけてみた。ふふっと、白百合が小風に吹かれたときのような音が、返ってきた気がした。

シナリオ「雪が降った日に」



本文 
◯朝・登校経路
   効果:雪の上を歩く足音
1麻美(もうすぐ、卒業だなぁ。思えばいろんなことがあったや)
2麻美(球技大会は苦手だったけど、友達がいたからなんとか頑張れた)
3麻美(文化祭も裏方作業だけど、友達とやりとげた達成感があった)
4麻美(卒業遠足や、修学旅行だって……友達と)
5麻美(そう、友達と)
6麻美(けっきょく、恋愛に関してはなんにもなかったりして! アハ、アハハハ……はぁ)
7麻美(好きな人がいないわけじゃないのに。現に……ってだめ。もう考えないようにしよう、うん――――うわっ)
   効果:足が滑る音・次いで雪にうずもる音
8麻美(うう、かっこわるい)
   効果:だんだん近くなる駆け足の音
   恭太郎、駆け寄ってくる。
9恭太郎「大丈夫!? ほら、つかまって!」
   恭太郎につかまり、立ち上がる麻美。恭太郎の顔を間近で見る。
10麻美「あ、ありがとう……って、えぇえ!? どうして恭太郎くんがここに? あ、その、ありがとう!」
11恭太郎「あはは。そんなに焦っちゃって、麻美ちゃんってば面白いなぁ。でも危なっしくもあるかな。足もとには気をつけないと、だめだよ?」
12麻美「う、うん。気をつける」
   深呼吸をする麻美。
13恭太郎「本当に、大丈夫? 心配だな……」
14麻美「大丈夫だよ! ほ、本当に!」
   恭太郎、小声で。
15恭太郎「でも、あの件もあるしな……」
16麻美「?」
17恭太郎「あぁ閃いた! ね、これからは雪の日、いっしょに学校にいくのはどうかな?」
18麻美「い、行く? 私と?」
19恭太郎「そ。最近、麻美ちゃん元気ないでしょ? おれ心配で。今だってぼうっとしてて、転んじゃったんでしょ。だから、いっしょに」
20麻美(うぅ、恭太郎くん鋭い。でも『最近元気ない』って私のこと、見てくれてたんだ……しかもいっしょに帰れるだなんて)
21麻美「嬉しい! 神さまありがとう!!」
22恭太郎「え、おれと帰るくらいで、そんなに喜んでくれるんだ。はは、ちょっと照れるな」
23麻美「あ、あぁっとえっと、その」
24麻美(思わず本音が……! 落ちつけ。落ちつけ私。そう、友達と話すように!)
25麻美「こ、これひゃら、よろしくお願いします!」
26麻美(噛んじゃった――!!)
27麻美(こうして雪の日に、私と恭太郎くんはいっしょに帰ることになった――――……)



◯後日・朝・麻美の玄関まえ
28麻美(今日は雪の日。 好きなひとの前だからって緊張しないで…………よし、いこう!)
   効果:扉をひらく音・小走りの音
29麻美「はぁ、はぁ……恭太郎くん、待った? 私の家までわざわざ、ごめんね?」
30恭太郎「ううん、全然。じゃ、いこっか」
   効果:雪を踏みしめる音。以降、効果停止までつづく。
   緊張していない恭太郎とは逆に、麻美はいたたまれなくなる。
   麻美、声を大きくして話題を降る。
31麻美「そういえば! 恭太郎くんはなにが好きなの?」
32恭太郎「なにがって……ふふ。麻美ちゃん、かな?」
33麻美「えぇっ」
34恭太郎「じゃないとわざわざ麻美ちゃんといっしょに学校行こう、なんて言わないよ?」
35麻美「きょ、恭太郎くん」
36恭太郎「もっと教室でも話したいよね、友達なんだし」
   効果:コテンという音
37麻美(恭太郎くんのなかではクラスメイト=友達なの!? いや、だからこそ私を助けてくれたのかも――あの時みたいに)
   脱力する麻美。はやとちりを恥じるように早口になる。
38麻美「そ……そ、そうだね。私ももっと話したいって思う!」
39恭太郎「あれ、麻美ちゃん? 顔真っ赤だね、この雪景色じゃすごく目立つや」
40麻美「だ、だって、恭太郎くんが」
   恭太郎、笑みを麻美にむける。
41恭太郎「おれがどうかした?」
42麻美「いや、なんにもないです」
43恭太郎「ならよかった。そうだ。麻美ちゃん、今日の数学の宿題やってきた?」
44麻美「うん、勉強だけが、私の取り柄だから!」
45恭太郎「卑屈にならないの。でも、そっか。実はおれ、今日の範囲でどうしてもわかんないところがあってさ」
46麻美「えっ意外。恭太郎くん、なんでもできるイメージあったよ」
47恭太郎「ぜーんぜん、そんなことはありません。だから昼休みにさ、おれに勉強教えてくれない?」
48麻美「い、いいけど、その、場所は、教室じゃなくて図書館でいいかな……?」
49麻美(じゃないと、クラスメイトの視線が気になっちゃう〜)
50恭太郎「やった。あ、もう学校に着いちゃったね。ちょっと部室よるから、またあとでね!」
   効果音:雪の音停止・ガヤの音
51麻美(私も教室へいこう。恭太郎くん……片思いで終わると思ってたけど、まさかこんなチャンスが巡ってくるなんて)
52麻美(あの時、抱いた思いは無駄じゃなかったんだ)



◯昼休み・図書室
   恭太郎、麻美の耳元で囁く。
53恭太郎「で、最後のコレ。この問いはどうすればいいんだっけ」
54麻美「ひゃっ!?」
   以下、両人とも、通常より声量を落として会話。
55恭太郎「声が大きいよ、麻美ちゃん」
56麻美「気をつけます……。えっと、そこは一度Xを代入してやってみて」
57麻美(うぅ〜、耳元で囁くだなんて、心臓に悪いよ。恭太郎くん!)
58恭太郎「……麻美ちゃんてさ、教えるのうまいよね」
59麻美「そうかな? 普通だと思うよ」
60恭太郎「いや、すごくわかりやすいよ。成績も、結構いいほうだったりする?」
61麻美「うん。勉強だけが、私の取り」
62恭太郎「それは前にも聞きましたよー。麻美ちゃんはもう受験終わった?」
63麻美「私は公募推薦で。恭太郎くんは?」
64恭太郎「おれはまだ。麻美ちゃん。君の腕を見こんでのことなんだけど」
65麻美「うん?」
66恭太郎「水・金は部活ないから、放課後も……」
   効果音:チャイムの音 ふたりとも声を潜めることをやめる。
   立ちあがり、伸びをする麻美。
67麻美「もう鳴っちゃった。もどろうか、恭太郎くん。あ、『放課後も』、なんなの?」
68恭太郎「んーまた雪が降った日に言うよ」
69麻美「えぇ〜続きが気になるよ」
70恭太郎「いいじゃない。これからいっぱい会えるんだし。ね?」
71麻美(もう、人がどれほどドキドキしてるか知らないで〜。でも、私のほうは知ってる。恭太郎くんの優しい一面を……)



◯昼休み・廊下〜保健室・回想
   【】=現在の独白
72麻美(もう駄目、倒れる……)
73麻美【このころの私は色んな不幸が重なって、ストレスで参ってた。あやうく倒れそうってときに、彼がきて……】
   倒れかけた麻美を、恭太郎は支える。
   効果:人を受けとめる音
74恭太郎「大丈夫?」
75麻美「あの、あなたは……」
76恭太郎「おれは星野恭太郎――じゃなくって。すみません、ちょっと通ります!」
   ◯効果:人のざわめき
77麻美【あの後、すぐに意識がとおのいて、気がつけば私はベッドのうえだった】
   麻美、まだ意識がおぼろな状態で。
78麻美「あれ、ここは」
79恭太郎「目が覚めたんだね。よかった。覚えてる? 君、廊下で意識をうしなったんだよ」
80麻美「え、そうなんですか……? ! もしかしてあなたが運んでくれたんですか?」
81恭太郎「あんな状態でほっとけないよ。それと、おれは恭太郎だよ」
82麻美「恭太郎、くん」
83恭太郎「君の名前は?」
84麻美「岩崎。岩崎麻美」
85恭太郎「そっか。麻美ちゃん、たしか同じクラスだったよね。もう起きちゃったからおれは行くけど、まだ安静にね。無理しちゃだめだよ」
86麻美【あれがきっかけで、徐々に恭太郎くんを目で追うようになって。今回も倒れたのがきっかけ。恭太郎くんのそばにいられるようになった】
87麻美【雪解けの日がくるまでに、もっと恭太郎くんと仲良くなって】
88麻美【この思いを伝えられたらいいなぁ】



◯朝・通学路・現在
   効果:雪の上を歩く音
89恭太郎「――――でも主人公は最後に」
90麻美「ネタバレはやめて! 私はこれから読むんだから」
91恭太郎「あはは、そうだね。じゃ、学校に着いてから、件(くだん)の本を君に貸すね?」
   麻美、満面の笑みになる。
92麻美「ありがとう! 今から楽しみ」
   恭太郎、麻美の笑みに照れる。
93恭太郎「……っ」
94麻美「どうしたの?」
95恭太郎「いやなんでもないよ……また麻美ちゃんと勉強会がしたいなー、なんて思ってるだけ」
96麻美「本当に? 嬉しい!」
97麻美(雪の日にふたりで歩くようになって、もうどれくらい経ったかな)
98麻美(恭太郎くんが実は推理小説が好きだったり、甘いものが好きだったり、彼の色んなことを知った)
99麻美(すっかり打ち解けてくれたみたいで、気さくに笑いあえるようになった)
100麻美(図書室での勉強会だって堅苦しい空気じゃなくて…………ん? 勉強?)
101麻美「あのね、恭太郎くん。受験はその……大丈夫なの?」
   恭太郎、 不思議そうに首をかしげる。
102恭太郎「ん、どういう意味?」
103麻美「もっと、ひとりの勉強の時間をつくったほうがいいんじゃないかってこと」
104麻美「私といるとき、宿題をやったり、苦手科目をひたすらに復習したりしてるけど、赤本はやらなくて大丈夫なの? 私との時間は、受験の邪魔にならない?」
105恭太郎「大丈夫だから、麻美ちゃんといっしょに勉強するんだよ。麻美ちゃんはやっぱり優しいね。よしよし」
   麻美の頭をやさしくなでる恭太郎。
106麻美「え? え、あの?」
107麻美(恭太郎くんに頭を撫でられた……! は、はずかしいけど嬉しい。でもなんで? 頭が混乱するよ〜)
108恭太郎「はは。もう学校だね。おれを心配するなら、受験の前日に応援電話ちょうだい?」
   麻美、いまだ混乱しながら。
109麻美「そ、それは全然オッケーだしむしろだれよりもしたいけど、恭太郎くん、今のは……!」
   麻美からはなれていき、部室へむかう恭太郎。
   効果:遠ざかる足音
110恭太郎「それは、また雪の日に! あるいは、今日にでも話そうか? なーんて。じゃあね! おれ、部室寄るから!」
111麻美(うぅ、仲よくなって色々わかったけど、わからないことも増えたよ〜!)



◯夕方・恭太郎の家のまえ・下校
112麻美(今日は、雪が降らなかった……だから恭太郎くんと登校してない)
113麻美(そもそも、恭太郎くんは今日学校に来なかった。翌日のために)
114麻美(あとどれくらい恭太郎くんといっしょに雪道を歩けるだろう)
115麻美(こんな気持ちは、電話で伝えたくない。だから)
   効果:麻美がチャイムを鳴らす音・次いで恭太郎がドアを開ける音
   恭太郎、ひどく驚く。
116恭太郎「麻美ちゃん!? どうしておれの家に」
117麻美「恭太郎くんの友達に教えてもらったの。『岩崎が行ったら恭太郎も喜ぶぞ』って……」
118恭太郎「あー、うん。すごく、嬉しい、です」
   麻美、恭太郎、両者ともに照れ、間が流れる。
   気恥ずかしさを振りきるように、麻美は言う。
119麻美「あのね、恭太郎くん。電話で応援してって言ってたけど、私どうしても直接伝えたくて。明日の受験、きっと、きっと、恭太郎くんなら受かるから!」
120麻美「私、恭太郎くんが努力家なのも、実はだれよりも真面目なのも……私、知ってるから! だから、恭太郎くんは絶対に受かるの!」
121恭太郎「麻美ちゃん……」
   恭太郎、麻美を軽く抱きしめる。麻美の耳元で囁く。
122恭太郎「おれ、麻美ちゃんに伝えたいことがあるんだ」
123麻美「伝えたい、こと……?」
124恭太郎「うん。受験がおわってから、直接会って伝えたいこと」
125麻美「でも、もう雪は降らないかもしれないよ」
126恭太郎「雪がなくても、おれは麻美ちゃんといっしょに道を歩きたいよ」
127麻美「……!」
128恭太郎「だから、待ってて」
   恭太郎、麻美より離れて別れをつげる。
129恭太郎「じゃあね」
   効果:ドアを閉める音
130麻美(恭太郎くん……。恭太郎くんとは違う言葉かもしれないけど)
131麻美(私も、伝えたい言葉、あるよ)



◯朝・麻美の家のまえ
   『』=過去台詞
132麻美(あれから、三日。雪は降ってない。でも『今日もいっしょに行こう』って恭太郎くんが言ってくれて……彼と学校へいく日。地面にはかすかに雪が残ってるだけで、たぶん、これが最後になるんだろうなぁ)
133(126再)恭太郎『雪がなくても、おれは麻美ちゃんといっしょに道を歩きたいよ』
   麻美、恭太郎の台詞を思いだし、赤面する。
134麻美(勘違いしちゃ駄目! いや勘違いだったら玉砕しちゃうんだけど!)
135麻美(そう、恭太郎くんが私をむかえにきてくれたら、私には言わなきゃいけないことがある。もう、雪は降らないんだから)
   効果:走る足音
   恭太郎、麻美のもとまで駆け寄ってくる。
136恭太郎「はぁ、はぁ……ごめん、待った?」
137麻美「ううん! むしろ、毎回ここまで来てくれてありがとう!」
138恭太郎「いえいえ。あのさ、おれが伝えたいことがあるって言ったの、覚えてる?」
139麻美「う、うん」
140恭太郎「いま、ここで言っていい?」
141麻美「う、うん」
142麻美(なんだろう。ドキドキするよ)
143恭太郎「まず、おれが受けた大学は麻美ちゃんの受かった大学と同じです」
144麻美「えっそうなの!?」
145恭太郎「いや、まだ受かったわけじゃないから。でも受かったらそうだね、麻美ちゃんと、まだまだいっしょだ。で、つぎに伝えたいこと……これが本番なんだけど」
146麻美「待って!」
   真剣な様子の麻美に、恭太郎は驚く。
147恭太郎「麻美ちゃ」
148麻美「私にも伝えたいことがあるから……、先に言わせてほしいの」
   息をのむ恭太郎。麻美、緊張をしつつ言葉をつづける。
149麻美「私は恭太郎くんといっしょに雪の道をいくのが、好きだったよ」
150麻美「他愛ないおしゃべりをして、たまに、危なっかしい私を恭太郎くんが支えてくれたり……恭太郎くんが『雪がなくてもいっしょに』って言ってくれたのすごく嬉しかった。だから言うね」
151麻美(『いっしょに』が友達としての意味なら……恭太郎くんと築き上げた関係が終わってしまう。怖い。怖い。でも)
152麻美(自分の気持ちはしっかり伝えないと!)
153麻美「私……恭太郎のことが好きです!」
   恭太郎、呆然とする。
154恭太郎「…………」
155麻美(あ……あぁ。『いっしょに』はもうできないんだ。アハハ)
   涙ぐむ麻美。恭太郎のわきをすり抜けようとする。
156麻美「迷惑なこと言ってごめんね。来てくれて、申し訳ないんだけど……私、あっちから学校に行――」
   効果:パシリと麻美の手を掴む音
   麻美、驚いて恭太郎のほうをむく。
   恭太郎、声を張る。
157恭太郎「おれも! おれも麻美ちゃんが好きだよ!」
158麻美「え、なんで、うそ」
   ますます声が潤む麻美。
   動きがとまったのを見て、恭太郎は麻美の手をはなす。
159恭太郎「やさしいとこ。笑顔がふんわりと明るいところ。ほかにもいっぱい。いっしょにいるうちに、色んな麻美ちゃんを好きになったよ」
   麻美、ボロボロと涙を流しはじめる。
160麻美「う〜……」
161恭太郎「ちょっと、どうしてそんなに泣くの!?」
162麻美「だって、だって嬉しくて」
163恭太郎「ほら、泣きやんで。麻美ちゃん。今から学校に行くんだよ――――おれといっしょに、さ」
   麻美に手をさしだす恭太郎。その手をとる麻美。
   麻美は微笑む。
164麻美「あ、そういえば、そうだね……ふふ」
165麻美(さしのばされた手を、私はとる。そして歩いていく。恭太郎くんの温もりを手ばなさないかぎり、私は絶対転ばない)
166麻美(雪のなかではじまった歩みは、雪が溶けてもまだ、つづいていく――)
167麻美(彼と、いっしょに)



                          (完)

制作実績

掲載可能な受注実績はありません。

スケジュール

今日

月に

2019年7月
15 16 17 18 19 20 21
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得意分野

エッセー,脚本・シナリオライティング

経歴

二〇一七年にスズノマンマ名義でフリーボイスドラマ『雪が降った日に』のシナリオを担当。
二〇十九年におきらく名義でフリーノベルゲーム『はちみつ色の桜』のシナリオを担当。

コメント

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