イラストレーターへの依頼方法(2/2)

イラストレーターとクライアント

 3.イラスト発注の進め方

前回は、イラストレーターの探し方・選び方について解説しましたが、今回はイラストレーターへの発注〜納品の流れについて解説します。
Skillots(スキロッツ)で今までに取り扱った4万件以上のイラスト・デザインの依頼案件の成功・失敗事例から学んだ、取引を円滑に進めるためのコツも併せてご紹介します。

 ■コミュニケーションの基本

はじめてあなたと取引をするイラストレーターは、あなたと円滑な取引ができるかどうか、また、作業内容に見合った報酬をもらえるかどうか、不安と期待を抱いています。
最近は顔を合わせないでWEB上のみで取引をするケースも多く、お互いの信頼関係にはコミュニケーションスキルが大きく影響します。いくらあなたの依頼が魅力的でも、ぶっきらぼうな対応をしたり、連絡が滞ったりしたら、イラストレーターの不安は大きくなり、最悪の場合は取引を中止してしまうでしょう。
逆に、きめ細かい配慮を続けていくことで、取引をするイラストレーターだけでなく、イラストレーターのコミュニティ内でのあなたやあなたの会社への評価があがり、イラストレーターの対応が良くなったり、いい条件での契約ができるようになっていくことを実感するでしょう。

イラストレーター

気持ちの良いコミュニケーションを心がけましょう!

以下の点に注意して、気持ちのいい取引ができるよう心がけましょう。

オンラインでのコミュニケーションで大切な事

■対等の立場で。
イラストレーターとは、お互いを尊重し、対等な立場で取引を行いましょう。どちらかが「頼んでやっている」「描いてやっている」という意識を持つと、円滑な進行の妨げになります。

■礼儀正しく、親切に。
イラストレーターへ連絡する際には、まずは挨拶と自己紹介をしましょう。また、イラストレーターからの質問には、親切に回答・アドバイスし、不明点はすぐに明確にしましょう。また、イラストレーターによっては、メッセージに顔文字を使用したり、笑っていることを意味する「(笑)」「w」を使用したりすることを嫌がる方もいます。(逆に好きな方もいます。)適切な言葉遣いをしましょう。
(これを読んでいるあなたにはないとは思いますが、)決して、できないことをできると言ったり、早合点したり、ウソをついたりしてはいけません。

■連絡は迅速に、頻繁に!
イラストレーターからの連絡には、必ずすぐに返答をしましょう。時間がないときは、「後で確認します」の一言でも、イラストレーターは意図が伝わった事がわかり、安心します。回答するのに調査や検証が必要な場合でも、「調べてから回答しますので少々お待ちください。」「○○日までに関係部署に確認しますので少々お待ちください。」などの返答をしましょう。
また、確認や資料作成などに時間がかかる場合は、経過を頻繁に報告しましょう。

■期限を決めて、期限を守ろう!
イラストレーターが必ず納期を守らなければいけないのと同様に、あなたが資料提出や回答の期限を守る事も。イラストレーターの信頼を得るために最も重要な事の一つです。
イラストレーターによっては、提出期限を特に区切らない方もいますが、そのような場合でもあなたが「○○日の○○時を目処に提出します。」といった期限を決めましょう。確認や作業に必要な時間を計算するのが難しい場合でも、目標期限を設定してイラストレーターに伝えましょう。

万が一、期限に遅れそうな場合は、必ず事前に連絡しましょう。
期限の直前や、期限を過ぎてから連絡すると、信頼を失うばかりか、イラストレーターの状況によっては大きなスケジュール変更に至る場合があります。

1.制作指示

作業内容を明確にする前に作業をはじめてしまうと、イラストレーターが無駄な作業をしてしまい、余計な時間がかかってしまったり、場合によっては追加作業分の料金が発生してしまいます。
作業に取り掛かる前に、連絡を密に取り、必ず制作するイラストのサイズや点数、提案してもらいたいアイデア数、最終的なイメージなどをイラストレーターと共有しましょう。

イラストレーターと共有する項目

  • 制作点数
  • モチーフや構図
  • 最終的に使用する媒体とサイズ、納品データの形式(参考記事:デザイン・イラストでよく使われるデータ形式
  • 著作権の所在(参考記事:デザイン・イラストの著作権
  • 顧客ターゲットやアピール対象
  • イラストのテイスト(水彩画風、萌えなど)。有名なイラストや他のイラストレーターの作品など、あなたが理想と考えるイラストを提示するとイメージの共有がしやすいですが、イラストレーターの創造性を妨げたり、著作権侵害をしないように注意しましょう。

また、必要に応じて制作ガイドラインや仕様書を作成するとより確実です。

制作指示書の例

制作指示書の例※こちらの制作指示書はSkillots事務局が作成したものであり、自由に改変、使用、再配布していただけます。
※この制作指示書は企業クライアントが販促物を制作することを想定したものです。依頼内容に合わせて適宜項目を変更し制作指示書を作成しましょう。
エクセル版のダウンロード

 

2.ラフの主なチェック項目

多くの案件では、ヒアリング後に「ラフ(粗い下書き)」が提出されます。
ラフの段階でイラストの方向性を修正しておくと、その後の修正が少なくなり、効率的に進行します。
必要に応じてイラストレーターにプレゼンや説明を求め、充分に検討しましょう。
ラフの承認以降は修正が難しくなりますので、ラフのチェックは入念に行いましょう。

ラフのチェックポイント

  • イメージに合っているか
  • 使用しやすい縦横比になっているか
  • ポーズや構図は意図したものになっているか

 

3.修正指示

イラストが提出されたら、必ず間違いがないかチェックし、必要に応じてイラストレーターに修正を依頼しましょう。
よりスムーズな進行のために、修正指示をする際には以下の点に気をつけてください。

修正指示の注意点

  • ある段階の進行後は、修正が難しい場合があります。(イラストの線画作業後など)段階ごとにイラストレーターに次の段階に進んだ場合に修正できなくなる点を確認しましょう。
  • 修正指示は、なるべくまとめて出しましょう。イラストレーターが作業を効率的に進めることができるため、スピードが早まり、他の部分のクオリティをあげることができます。
    ※ただし、気付いた点は早めにイラストレーターに伝え、あとでまとめて修正して欲しい旨を伝えましょう。
  • 修正点はなるべく具体的に指示しましょう。提出されたイラストの上に書き込んで図示すると、間違って伝わることが少なくなります。
  • イラストレーターに意図が伝わりにくい場合は、有名な広告や同業/競合企業の広告、他のイラストレーターの作品など、あなたが理想と考えるイラストを提示し、イメージを共有しましょう。

 

4.検収(納品時の受け入れ検査)

イラストの依頼で最も多いトラブルが、納品後に見つかる誤字や脱字、印刷時における色のイメージの違いなど、校正が不十分であったことによって起こるものです。提出されたイラストは、必ず念入りにチェックしてください。また、チェックが完了したら、必ずイラストレーターに検収完了の報告と納品のお礼を伝えましょう。

納品データの主なチェック項目

  • 印刷(カラー/モノクロ/単色刷)、WEBなど必要な媒体で使用できるよう、それぞれに合わせたデータ形式で納品されている
  • 十分な解像度のデータになっている
  • 色の塗り残しや、描かれているものの位置関係や影のつき方などにおかしな所(構図の矛盾)がない
  • 第三者の著作権や商標を侵害していない(ファッションアイテムや食品パッケージが描かれている場合はロゴの使用権にも注意しましょう)

 

 5.使用の報告

納品されたイラストを公開したり使用する際には、著作権の所在に関わらずイラストレーターに必ず報告しましょう。
広告や商品、店舗などにイラストが実際に使用されている様子を見る事で、イラストレーターはあなたに依頼された仕事に対して達成感を感じ、あなたに対する信頼感がアップします。


 

いかがでしたでしょうか。

この記事が、少しでも皆様とイラストレーターとの円滑な取引のヒントになれば幸いです。
料金が気になる!と言う方は、イラストの料金相場も併せてご覧ください。

皆様のご意見やご感想もお待ちしています!

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この記事の著者

藤田 健プランニングディレクター

Skillotsを含むエフ・プラット株式会社の全てのサービスの企画・運営責任者。
神奈川県出身・中野区在住。

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