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Self-Introduction

Gro, Ryona, torture, TF novel is good at it. We keep in mind reply within one day.

  • Creator ID:23609
  • Gender:Female
  • Age:5y.o.
  • Career:6year(s)
  • Area:Japan
  • Last Login:More than 3 months ago

Works

ネクロニカドール拷問本

 人間のわがままの結果だと、だから人は争っているのだと。薄暗く寒いシェルターの中で、私はお母さんにそう教わりました。
 詳しいことはよく知りません。幼い時から、銃声と土煙が絶えない場所で育ってきたので、「そうなのだろう」と思うことしか出来ずにいました。
 私の住むシェルターは食糧難に見舞われていました。外に出ようにもアンデッド兵士がうろつき、爆撃が降ってくる地上に出る事なんて出来るわけなく、次々と人は死んでいきました。
 かくいう私だって、もう頭にも体にも力は入らないし……。
 ぐらりと崩れる私をお母さんがやせ細った腕で抱き留めました。ぼろぼろとこぼれる涙を、私は拭くことすら出来ません。ああ死ぬのだと、でもお母さんがいるから寂しくないですね。
 シェルターの片隅で、私の意識は泥に沈むように薄れていって、そのまま……。


──死んだはずだったのに。


 耳元で、カチャカチャと金属がぶつかりあう音がして、それを伴いながら忙しない一人分の足音が、私の周囲を行ったり来たりしている。
 肉の腐る嫌な臭いと、嗅いだことの無いよくわからない何かの臭いが鼻をついた。
 目を開けると、丸いライトを集合させたような物が私を照らしていた。刺すような光に私は目を細めた。
 私は確かに死んだはずで。いや、万が一生き残っていたとしても、シェルターにこんな場所はなかったし。
「……ぁの。すみ」
「えっ、あっ、嘘でしょ起きた!」
 私の言葉を途中で遮り、作業をしていた人はこちらに食いつくように飛びついた。
がばっと顔を覗き込んでくるその表情は好奇心に満ち溢れいるけれど、その笑顔は好きになれない、悪意が込められているように見えた。
「その、つかぬことをお聞きしますが……私……死にましたよね?」
「うん」
 何を当たり前なことを言っているんだ、と言いたげな、呆気に取られた顔でそう言った。
「えーっと、じゃあなんで私は今生き」
「私が生き返らせたからね! ドールとして! 一体目から成功するとはやはり私は天才だったようだ! 自分を褒めたたえたい! 私凄い!」
 質問を遮ってぺらぺらと並べられる自慢にはぁ、とため息で返事をするしかなかった。
「本来はこのタイミングで起きてくるはずじゃなかったんだけど……まぁよしとしよう。どうせ記憶は消してしまうしね」
 ああでも暴れられたら面倒だなと、手際よく枷が嵌められた。死ぬ前、否、生き返る前と言った方が正しいのかな。その頃からやつれていた私には抗うことが出来なかった。
 たぶん、自分が寝かされているのは手術台なのだろう、暴れる度、体の下でギシギシと軋む音がした。元からセットされていたようで、めいっぱいにチェーンを伸ばしても転がり落ちることすら出来ない。
「本当は記憶を弄った後に……粘菌……脳の回路……」
 枷をつけた本人は、私を固定したままそっちのけで本を読んでいた。粘菌、という聞きなれない単語に恐怖を覚え、背筋が凍る。
「まぁいいや、このまま進めちゃお。どうせ死なないしね」
 そう言うと慣れた手つきで器具を私の口にはめた。状況がわからずふがふがと文句を言う。そもそも進めるとか一体何を、という話だし、何か危険なことをするなら死なないしという問題ではないはず。 
「痛かったら手を上げてくださいねー。上げられませんねー。じゃあ痛いって言ってくださいねー。あ、それも出来ないねー」
 やめてと言うことすら無理やり口をこじ開ける器具が許してくれない。無防備になった舌を、冷たい何かが挟み込んで抑えた。
「可愛くてながーい舌にしようね。私動物とか好きなんだ」
 何を言っているんだろう、私は人間で──ジョキ、と舌の根元に痛みが走った。冷たい金属が肉を裂いて、真ん中の所で重なり合う。痛みで体が大きく跳ねた。声にならない悲鳴が呻きになって喉から溢れる。
「あーあー必要ないところが傷ついたらどうするの」
 わざと私の視界で、今さっき私の舌を半分切り裂いた鋏をカシャカシャと開閉した。鮮血が刃から手元につう、と垂れるのが見える。私の血だ。
「まだ半分残ってるんだから」
 千切るように力を込めて私の舌を引っ張る。切られ、ギリギリのところで繋がっている舌が悲鳴を上げる。零れる涙を無視して、鋏は私の舌を切り取った。
「えへへー、なんだっけ、焼肉でいうところのタン? 私、焼肉なんて食べたことないけど」
「うあぅ、ああう、あう」
 ペンチに挟まった私の舌を楽しそうにぶらぶらさせるその人に、私は必死に抗議した。やめて。どうしてこんなことをするの。私はあなたに何か恨まれるようなことをした? ……もう言葉にすらならなかった。
 喋れないの赤ちゃんみたいだね、と嫌味たらしく私の舌で涙を舐めるように拭きとった。
「大丈夫、可愛くてながーい舌にしようって、切る前に言ったじゃんね」
 カチャカチャとまたしばらく音が続いて、再び口を覗き込まれたと思った瞬間、何かが突っ込まれた。粘膜質でぬるぬるとして気持ち悪い。
 そうかこれは、私の新しい……。
 そう思ったつかの間、細く鋭い痛みが残った舌の根元に走る。チクチクとリズミカルに刺さっては抜けていき、気持ち悪い肉の塊が密着する。
 枷にぎゅうぎゅうに力を込めて耐えた。痛い、気持ち悪い。ねちゃりとした物が唇に触れる。ギシギシと口の器具を噛む。
針が舌を一周したところで、口の器具が外された。
「すっごく情熱的なちゅーが出来るね! でぃーぷきっす? ほらほら、見て」
 どこまで性格が悪いのか、縫い終わった口元を鏡で執拗に見せてくる。ちらと目をやると閉じられなくなった口に涎まみれの舌がだらんと繋がっていた。
「その舌も、しばらくすれば動くようになるからねぇ。今君を動かしているのは人間としての体の生命活動なんかじゃないよ。幾多の粘菌ネットワークによる電気信号さ。少し経てば舌も繋がる」
 よかったねーと私の新しい舌先をつまみぴろぴろと動かす。
──私はとっくに人ではいなくなっていたみたい。
 だけれど、こいつは現実を受け止める暇すら与えてくれなかった。喪失感を、さらなる絶望で塗り替えていく。
「だから、これで補強しまーす」
 うぃん、と台が動き、少しだけ上半身が持ち上げられる。その拍子に目に入ってきたのは、ボウルにぎちぎちに満たされた何かの幼虫だった。
「あぅあ! うう!」
 食べさせる? 這わせる? 一体何をする気なの? 
 私は精いっぱい枷を揺すり、体を反らした。蟲は嫌い。近寄りたくない。そんな意思も、ことごとく無視されていく。
「うう! ぐぅ!!」
 冷たい感触が私を貫いて、かはっと息が漏れる。太く大きいメスが、鈍く熱い痛みを伴いながら私の腹を開いた。ぐちゃりと手で広げられた感覚がしたけど、私にそれを見る勇気はなかった。
 もちろん切るだけでは終わらない。異物が押し込められ、蠢く無数のうねりが私の中で進んでいく感触がした。ひっと小さく声を漏らす。
 蛆虫が私の中を進んでいく。心臓や腸を抜け、頭から足先まで全体に行きわたるような感覚に嗚咽した。
 吐こうとしても、くぐもった声しか出なかった。胃の中は悲しいほどに空っぽで、何も出てこない。
 何故、という感情すらもう出てこない。早く楽にして、と思っても既に死んだ私にとっての楽ってなんだろう。そういえばねお母さん、私生き返ったみたいだよ、また会いたいな……。
 刹那、鋭い電流が私の体を駆け巡った。薄れかけていた意識が再び現実に引き戻された。切るのとはまた違う痛みに悲鳴を上げる。
「あれ、おっかしいな……エレクトリッガー? だったかな。電気を放出して攻撃できるようにしようと思ったんだけど。これじゃあただの電気責めだねー」
 ケラケラと笑ったその人をキッと睨みつけた。でも何故攻撃出来るようにしようとしたんだろう。弄び壊すだけならそんなもの、むしろつけるだけ邪魔になってしまうだろうに。
「愛しい愛しい私のお人形に、そう簡単に壊れてしまわれては私もつまらないんだよ」
 私の気持ちを察したのだろうか。さっきまでの憎らしい笑顔とは裏腹に、愛おし気な表情を浮かべて私を撫でた。
「だからね、外に出ても壊れてしまわないよう、こうやって武器を取り付けるんだよ!」
 小型の水槽に浸されていたのは、禍々しい色をした触手だった。何かを求めるように揺らぐその動きからは意思すら感じ取れそうで。生き生きしている、とは形容したくないけれど……。
「はーい、これもわかってると思うけどチクチクしまーす。……アバラに近い筋肉にね。場所が場所だから痛いかもね! 痛かったらはーいって手を上げてねー」
 冗談に、舌打ちをしようとする。だけれど私の長い舌はそれすら上手くいかない。これでは、歯を食いしばって痛みに耐えることすら出来ない……。
 メスが脇腹付近を大きく切り裂いた。歯を食いしばれない私は枷が食い込みそうなほどに腕に力を込め、ただただ耐えた。
「うう……ぐっ……」
 べりべりと皮が剥がされていく感覚。痛みを伴う全てが、見てもいないのに何をされているのかがわかる。神経とやらの存在が酷く憎たらしい。
 舌を這いずり回った鋭い痛みが、今度は胸部を走った。舌と違い現在も命を持った触手が、接着面でうぞうぞと動く。
 空気に撫でられるだけでも痛む傷口が、さらに抉られるような痛みに襲われた。
 筋肉に縫い留められた触手が露出した形を保ったまま、皮が再び体に縫い留められた。舌や触手の接合と違い、体自体の縫い跡はあまりにも雑で、私の体には大きな継ぎ接ぎが残った。
「なんかこう……バランスが悪いねえ」
 痛みと不快感でいっぱいになっている私にはどうでもいいことだけれど、どうやらこの人は今の私姿があまりお気に召さないらしい。
「バランスは大事だね。腕つけよっか。忙しい時とかに猫の手を借りずにすむねー。自分の腕があるもんね!」
 いそいそと視界の外に消えたと思ったら、今度は人間の腕らしきものを持ってきて戻ってきた。
 透き通るような白い肌を持つその腕は、私より小さく、柔らかそうだった。おそらくだけど、私より幼い少女の物なのだろう。そう思うと胸のあたりがきゅっと痛んだ。
 一声かけられることもなく、再び体にメスが入った。先ほどに比べて傷自体は浅い。けれど、人の形からだんだんかけ離れていくのが痛みによって刻まれていく感じがして、苦痛が少ないことを素直に喜べなかった。
 私が苦痛に呻くたび、植え付けられた触手も苦しそうにもがいているように見えた。何かに縋るように伸びてはこわばるそれは、もう私の一部になってしまったようだった。
「今度は武器をつけるよー、これでゾンビも怖くない!」
 カチカチと言わせているのはペンチだろうか。痛みで朦朧としてよくわからない。
 私の手をそっと掴んだ。丁寧で、その様子はエスコートする王子様みたいで。私は予想外のことに一瞬気が緩む。
──ブツン、と肉と骨が千切れる音がした。
 人差し指が根元からなくなっていた。ぼたぼたと垂れる血液を見て、ようやく狂わんばかりの痛みが私を襲った。
「はーいちょっきちょっき~工作は楽しいな~」
 手を振り払おうとする私の腕を掴み、鼻歌を歌いながら指を切り落としていく。一本落ちる度、蛙を潰した時のような声が私の喉から出た。
 継ぎ接ぎされた少女の腕を残して、私の手から指はなくなった。呆然と手のひらを見る私に、その人は笑顔を続けた。
「ここに刀をつけたら、凄くかっこいいでしょう? 大昔の映画みたいだよね。知ってる? 知らないか」
「や、やえへ、いや」
 拒絶しようとしても、つけたばかりの慣れない舌では話すことすらままならない。
 どこから取り出したのか、長い刃物が十本並んでいた。血の滴る私の手に、指があったはずのその場所に、力任せに押し込まれる。ぐちゅぐちゅと傷口がこすれ、刃で痛み、新たな傷で痛みが走る。
 丁寧に、だけれどどこか乱雑に。失った指の分だけ代わりの刀が傷を抉り、苦痛が長引く。いち、にぃ、さん、しぃ。たった十のカウントが、永遠のように感じられた。
「さてさて、仕上げに入りますか」
 ようやく終わるのかと思いつつ、まだ何かやるのか、と絶望はより深みを増していった。ずぶずぶと精神を蝕むこの絶望と、体を苛む痛みのどちらでもいい。早く私の意識を飛ばしてください。でも、叶いそうになかった。
「女の子はほら、おしゃれしないと」
 その手に握られていたのは注射器だった。私は何がやりたいのかわからず呆然とすることしか出来ない。
「中にちゅーっと注入……頭にだけどね」
 血管など関係なく、ただ勢いのままに打ち込まれた注射の針が、脳みそを揺らすような頭痛を私に与えた。とても針という小さな点からの物とは思えないそれは、中身が注がれるごとに痛みを増していく。
「あああああ!!!!」
 痛みと不快感で、私は一際大きくのたうち回った。頭の中に、何かが広がっていく。痛み同士が混ざり合う。何かが薄まっては濃くなり、脈打つ。視界が白黒する。おかしくなる。どうにかなってしまいそう。助けて。ちかちかして、ぼやけて──。
「あれー。あんなに我慢強かったのにこれは駄目だったかな。粘菌と茸の菌類の相性?」
 痙攣する私を見てなお、その人は焦らなかった。死ぬのかな、あぁでも死んでるか、とぼんやりと考え始めたところで、限界を迎えた私の意識はようやく弾け飛んだ。


 目を覚ました時、私は大きな木にもたれかかるようにして座っていました。寝ていたのかもしれません。頭上には紅葉の赤が夕日のように視界いっぱいに広がっていて、とても綺麗です。
 秋なのでしょうか。寒くありません。目を覚ます前にも感じた、優しい花の香りは目の前の花畑からなのでしょう。見たことの無い独特な形をしていますが、これもまた綺麗で、一輪一輪がとても可愛らしいです。
 近くに少女が三人眠っていたので、起こすことにしました。私の鋭い刃で傷つけてしまっては可哀想なので、左下の少し小さな手で。
 聞いてみると、皆名前以外の記憶が朧気だと言うのです。何故でしょう? だけれど、私自身も同じように、過去のことを思い出せませんでした。
 私が覚えているのは、傍にいてくれた【少女】のことです。残念ながら顔も名前もあまり詳しくは思い出せませんが、ころころとした可愛らしい笑顔を覚えています。私は【双子】でしたから、いつも何となくですが彼女が何をしているかわかりました。きっと、今もどこかで寂しがっているでしょうから、探さないと。
 一緒に行きましょうと誘うと、皆さん快く快諾してくださいました。




 歩く度、そのリズムに合わせて頭に生えた茸がゆらゆらと揺れた。歌を口ずさむ唇からはだらしなく舌が垂れ、ぽたりぽたり雫が垂れる。重すぎる腕は引きずられ、地を擦る切っ先がひっきりなしに砂を掻いたが、少女は気にする様子を微塵も見せない。
 少女達の知らないところで、クスクスとネクロマンサーは嗤う。自らが作り出した可愛らしいおもちゃが笑い、苦しみ、悩むのを楽しみに待っている。
 少女が舞うのは、盤上か。劇場か。はたまた手のひらの上か。







──後日談がようやく始まりを迎えた。

鹿獣人拷問本

……♢♢※※♢♢……
 何かが爆ぜる音がする。ざわざわと騒がしくひっきりなしに周りで誰かが囁いている。目を開けるとたくさんの男性がこちらを見ていて、目の前には熱く焼けた鉄板が置いてあった。
「おはよう、よく寝れた?」
 私の手を引いた狼獣人が笑いながら話しかけてくる。その顔はさっきとは別人で、気持ち悪い笑みを浮かべていた。
「なにこれっ……!」
 じゃらり、冷たい鎖の感触が私を阻んだ。両腕を天井から吊り上げられ、身動きが取れない。周りの肉食獣が舐めるようにこちらを見てくる。
「オイルもよく馴染んだ頃だろうしな……そんじゃ始めようぜ、鹿焼肉パーティをなぁ!」
 遠吠えするように叫ぶと、周りも同じように歓声を上げる。鉄板には油が引かれ、じゅうじゅうという音がその場を盛り上げた。
「え……やだ……嘘でしょ? 冗談ですよね? 全く笑えないんですけど……あ、あの、帰してもらえないですか」
 ふるふると体が震え、目からは涙が零れてくる。きっと怯えきった顔を晒しているのだろう、興奮しきった視線が刺さる。
 嘘だよね、夢だよね。疲れ切った脳みそが見せた幻覚に違いない。だけれど耳元には舌なめずりをする音が響き、目を開ければ包丁を研ぐのが見えた。
──本当に食べられちゃうのかな。
 泣いて媚びればまだ助からないだろうか。現実と希望がぐるぐると頭を巡る。
「まずは洗浄しようか」
蛇口に繋げられた家庭用のホースがこっちを向く。この全身のオイルだかなんだかわからない液体を洗い流してくれるのかと一瞬喜んだが、期待はすぐに裏切られた。ホースは迷う様子を見せず真っ直ぐと私の肛門に向けられたのだ。
「え、ちょ、そこは」
 処女すらまだ誰にも捧げていないのだ。不浄の穴を触れられるのはさらに抵抗がある。私は身をよじって逃げようとしたけど、足を掴まれており腰すら逃げられなかった。
「痛い痛い! いやぁ、やめて!」
「なぁー、きつくてホース入んねえよ」
 肉食獣の尖った爪が周りの肉を傷つけながら強引に穴を引っ掻きまわしてくる。排泄にしか使わず開発なんてされてない上、潤滑剤すら使わないのだから入らないのは当たり前だ。だけども、ホースを持った獣人にとってそんなことは関係なかった。
「なら俺が解してやろうか? 最近ヤってなくて溜まってんだよ」
「お前のチンチン棘がついてて女が痛がるんだろ~めっちゃウケるこれだから猫科は(笑)」
「だぁってろうっせえな」
 囃し立てる周りに文句を言いながら立ち上がったのは大きな黒豹の獣人だった。そそり立つソレには痛々しいさか棘が無数についており、確かに女性が痛がるのも納得がいった。恐怖で喉が引き攣る。
「ひっ……いやっ……」
「そんなこと言ってもやめねえけどな。せいぜい力でも抜いてろよ、俺が言うことじゃねえけどかなりいてぇからよ」
 穴に当てがわれて、独特の不快感が背筋に走った。
「う、いや、はっああっ」
本来なら指一本すら入らない場所に陰茎がねじ込まれていく。逆棘が腸壁を引っ掻き無理やりに中が押し広げられていく度にカエルを潰したような悲鳴が上がった。
「はぁ……たまんねぇ……」
 解されなかった肛門は陰茎を拒み続け、あげくに裂けて血を零す。その様はまるで処女喪失のようだった。
──もし挿入されている穴が本来使われるべき性器で、相手が愛おしい人だったならどんなによかっただろう。鎖に繋がれ大勢の晒しものになるのではなく、ただ二人きりでベッドに包まれていたのだとしたら。
──きっと痛みすら愛おしくて、涙すら喜びで流すものだったはずだ。こんな、こんなではなく。
 異物感だとか、嫌悪感だとか、そういうものは全て痛みと絶望に塗り替えられていった。突かれる度に中はミチミチと悲鳴を上げ、限界を迎えて裂け、出来た傷を陰茎に生えた逆棘が引っ掻き回す。叫びは声にすらならず、雄たけびとなって口から溢れた。使うだとかしごくだとかの領域を超えた、腸をやすりかけするような行為は黒豹獣人が中に白濁をぶちまけるまで続いた。
 短時間で使い込まれた肛門はぱっくりと口を開け、時たまひくひくと痙攣する。そこからはぽたりぽたりと絶え間なく血が垂れ続けていた。
「やめてください、ごめんなさい、ごめんなさい、許してください、やめて──」
 悲鳴と嗚咽にかき消されていた懺悔は、黒豹獣人が陰茎を引き抜いた後も止まらなかった。何に対して謝っているのかもわからない。それでも何かを許されたかったし、救われたかった。自分を助けてくれるのが何かわからなくても、その何かに縋るしかなかった。
 ぼろぼろと零れる涙が視界を歪ませた。瞑ってしまうのは、次に起こることがわからなくなるから出来なかった。声は枯れ、喉が胃液で熱い。
「ごめんなさいとか言うけど、お前は何もしてねえだろ? 何に対して謝ってんだ?」
「うるさくしたことじゃね」
「許されても助からねえのにな」
 心の底からの懇願を獣人達が受け入れることは無かった。貶し、嘲笑う声だけが場を満たしている。この宴は始まったばかりなのだ。
「つーかよ、腸だって食うのに中に出すなよな、きたねぇなぁ」
「わり、女とヤったの久々だったからよ……でも洗えばいいだろ? 文句あるなら食うなよ」
「あ~はいはい念入りに洗わせてもらいますよぉ~~」
 狼獣人はべえと舌を出すと、ホースを肛門、否、肛門だったものにあてがった。散々広げられ千切れた穴は、ホースを容易く飲みこむようになってしまった。
「う~い、水出して水」
「ぐっ!!??!」
 容赦ない水流は腸内の傷を押し広げながら中を満たしていく。逃げ場のない水は腸と胃をあっと言う間に満たし、腹は臨月の妊婦のように膨らんだ。
「は~い洗浄~」
「そんな急に離したら、やっ」
 ホースを引き抜くと、ダムが決壊したかの如く水が溢れた。中からの水圧で切れた肛門の傷はより一層深くなり、洗い流された排泄物が傷に擦れて苦痛を増した。
「じゃあ二回目行こうか~」
「そんな、もう綺麗ですから、お腹空いてましたし草しか食べませんし。ね……私、綺麗ですから、もう、やめ、……」
「うるせえなそんなこと聞いてねえんだよ」
 力任せに殴りつけられ、ぐっ、と鈍く悲鳴が漏れる。中に水が残っていたのか、ぶぴゅっと情けない音がした。
 洗浄は中から出てくる水が完全に透明になるまで続けられた。時々水量を間違えて注がれた水が口から溢れることもあったが、その頃にはとっくに気絶しており、ごぶごぶと水が漏れるだけだった。
 全て水が出きった頃、鋭い痛みで目を覚ました。細い何かが体内に向かってくるのを感じて下を向くと、尿道あたりに管のようなものが挿入されているのが見えた。
「いっ…痛い痛い痛い!!!」
「お、目が覚めたか。お前気絶したときにしっこ漏らしてたんだぜきったねえの~。だから」
「……だから?」
「ついでにここも濯いでおこうと思って。モノ好きが色々持ってきてて助かったぜ」
 その声とともに、ゆっくりと水が注がれていくのがわかった。管の細さ故に痛みは他のものに比べ殆ど無かったが、ぱんぱんになるまで水で満たされた膀胱は苦しいほどの尿意を訴えた。
「~~っ!!! っだ……だ、ださせてくださ、も、無理……いっ」
「ん~? 何を?」
「……うっ」
 改めて聞かれると、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。ぐちゃぐちゃにされて醜態を晒してなお、自分の口からそのような行為を乞うことなどはまだしていなかった上に元々の性格が重なり、排尿させてくださいと口に出すのは胸が潰れるかと思うほどの屈辱であり、羞恥だった。思わず口をつぐんだが、ちゃぷちゃぷと揺れる膀胱がそれを許してはくれなかった。
「……さい」
「ん? なんだよ」
「おしっこ、を、おしっこを出させてくださぃ……」
 もじもじと腿を擦り、顔を背けるのを見て狼獣人は笑いながら舌なめずりをした。
「ほら、しっこしましょうね~」
 わざとらしく甘い声を出して後ろから抱き上げた。秘部を突きだすようなポーズは、幼い子どもがトイレの介助をされるのによく似ていた。
 強引に管を抜かれると、水の混じった薄黄色の尿が音を立てて出てきた。コンクリートに打ち付けられた水音は目を瞑ってなお耳を犯し、自尊心を削り舐めあげた。
 早く、早く解放してほしい。この慰み者扱いはいつ終わるのだろう。いつになったらこのレイプ集団は満足するのだろう。ズタズタになった胃腸が、心と一緒に悲鳴を上げる──たすけて、と。
 バチバチと思考が爆ぜて、視界が明滅する。痛みで押しつぶされた意識が痛みでまた覚醒させられ、気絶する事すら許されない。いつしか心はくたびれはて、死すら甘美に思えた。
「さて、ソースの仕込みに入るか」
──痛みで忘れていた。私の目の前には、熱く焼けた鉄板が今も熱を放っている。焼肉パーティという言葉を思い出して、頭からすうっと血の気が引いた。
「なんだよ、用意してなかったのかよ」
「今日のは特別なんだよ。既製品なんて味気ないだろ? 肉も脂もここに“いる”のに」
 狼獣人はニヤ、とほくそ笑んだ。手元のナイフがギラリと光る。怯えた私の顔を見て、周りは察したのか歓声が上がった。首元にナイフが突きつけられ、冷たい金属の感触が毛皮を撫でる。
「なぁ、どこからこいつがお前を傷つけるだろうなぁ」
「わっ……わかりません……お願いしますいっそひと思いに殺して……」
「残念だったな、まずは皮を剥ぐんだよ」
 鋭い刃が毛をかき分けて肉に食い込み、一直線に肛門手前まで掻っ切った。ナイフは止まらず、そのまま皮と肉を切り離していく。
「ぎゃああああああ!!! あああ!!! あああああ!!!!」
 無理やりに引き剥がすその手つきは乱暴そのもので、茶色の毛皮はみるみるうちに鮮血に染まってく。ズタズタに抉れた肉からも血が滲み、千切れた神経が空気に触れて痛みを訴える。
「助けて! やめて! お願い! いっそ! 殺して! おねがいおねがいおねがい──」
 喉はとっくに壊れ、しゃがれた叫びだけが場を満たす。手足と首から先の僅かな範囲を残し、毛皮はすっかり剥がされた。全身から溢れる血が肉を潤し、まるで真っ赤な洋服を着ているようにも見えた。
「香草とバターはちゃんと用意してあるさ。でもまだ脂身を用意出来て無くてな──ここにでかいのが二つ、あるだろ?」
 ナイフの切っ先が乳房を撫でる。察して腕にぎゅっと力を込めると、想像通りざくりと刃が入った。自惚れるわけではないが比較的豊満なそれが呆気なく切り落とされ、仲間に手渡される。
「じゃあこれは熱しておいてな。焦がすなよ」
 続け様にぐちゃり、と口を開けた腹に手を突っ込まれる。何かを探すように手が内臓を掻き分け、私は次に何をされるかわからない恐怖に震え目を瞑った。
 あったぞという嬉しそうな声と共に臓器を裂く痛みが走り、ぶちりと何かがもがれる感触がした。
「今日のソースは入れ物から凝ろうと思ってな。これを使うんだよ……コブクロ。まぁ簡単に言うと子宮だな。仕込みは頼んだぞ」
 目の前でぶらぶらと振られるそれは、もう本来の役割を果たすことは無い。もう私は子を孕むことが出来なくなったのだ。永遠に……まぁ、この命もすぐ終わってしまうのだろうが。
 涙はもう枯れてしまった。泣くことすら許されず、出来ることと言えば叫ぶことと死をまつこと。
「さて、本来なら内臓を抜かなきゃいけねえがお前らそんなのまてねえよなぁ」
 獣人達は当たり前だろ、待てねえよ、早く食わせろとテーブルを叩いて食器を鳴らしてしきりに催促する。
「そんなわけだから、もう配るぜ」
 眼前に光った大きな鉈が、力いっぱい太ももに振り下ろされた。派手に血が飛び散る。どんな音がしたのかは、自らの叫びにかき消されてわからない。のたうち回ると、大きな傷口の中で鉈が揺さぶられ一層痛んだ。
「うーん……骨がかてえな」
 ぎりぎりと往復する刃がぐちゃぐちゃと傷を引っ掻き、骨を削る。連続する痛みに気絶することすら出来ず、ただ嗚咽を漏らした。
「しょうがない、このままでいいか」
「このま、ま」
 どういうことなのだろう。やっぱり帰してもらえるのだろうか。いやありえない。とどめを刺して内臓からくりぬくのだろうか。全身から流れる血のせいでもう頭も働かない。
「ああでも死なれちゃつまらねえ。止血はしねえとな」
 比べ物にならない鋭い痛みが太ももを襲った。肉の焼ける匂いがする。焼きゴテなのだろうが、もう熱いというのさえわからない。ひたすら、痛い。香ばしい匂いにつられたのか、周りの催促は激しさを増していった。
血が止まったのか焼きゴテを離され、喘ぐように必死に息をしはじめた刹那、再び刃が肉を抉った。切り落とされ千切られていく度に追い打ちのように焼かれ、断続的に悲鳴を上げる。
 鉄板に油がしかれ、切り分けられた肉が焼かれていった。獣人達は私の肉が焼けるのを今か今かと待っている。
「仕込んだソースの方も出来上がったぞ」
 その手にはぱんぱんに膨らんだ子宮らしき物が握られている。子宮口らしきものを縛っていた紐を解くと、とろりと中からペースト状になりかけた液体が溢れてくる。
「香草とバターと脂身を混ぜて子宮に詰めてある。熱いから気をつけろ。各テーブルにまわるようにきちんと量を弁えろよ」
「……これ、直接かけたらいいんじゃねえの」
 ソースを受け取った獣人がニヤリと口の端をつり上げた。賛成や反対の意見が上がる前に、未だぱっくりと開いたままの太ももの傷口にソースをぶちまけた。
「あああああああ!!!!」
 どろりと粘度のある熱の塊がまとわりつき傷を舐めまわす。力を振り絞ってもがいても、体から垂れる血が飛び散るだけでとれることはない。暴れたせいだろうか、ずるりと腹から腸がこぼれた。それを見た別の獣人が面白がり引きずり出して千切って焼いた。
 新鮮な──まだ生きたままの──鹿獣人のモモやホルモンは大変喜ばれた。獣人達は痛みに泣き叫ぶのを見ながら肉をつまみ、酒を飲む。しかし全身から出血しているせいか、だんだん反応が薄くなっていく。
「そろそろフィナーレといこうか」
 鎖を外され、そのまま冷たいコンクリートの上に投げ出される。視界はぼやけ、頭は殆ど働かない。
「せいぜい盛り上げろよ」
 ぐいと首を掴まれ、苦しいと思う暇もなく油が爆ぜる鉄板へと投げつけられる。皮を剥がれた身体に熱された油はあまりに苦しく、その疼痛で意識は一気に過敏な状態に引き戻された。痛い。熱い。文字通り焼かれる痛みに体は跳ね、その度新しい箇所がまた鉄板に触れ焼け焦げていく。


 生と死の天秤、焼けた鉄板の舞台で悲鳴を上げのたうち回る姿はまるで踊り子のようだった。血を振りまき、ばっくりと開いた腹から臓物をこぼしながら彼女は舞う。パーティはまだまだ終わらない。
to be continued?

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Book Writing

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