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Jp 日本語

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Specialty

Self-Introduction

It is Russian skiing. I was attached to the charm of writing letters since junior high school days, and I have written various sentences. Since experience alone is abundant in vain, I think that I can write various taste scenarios and scripts. Honestly I am worried whether I can respond to the request of the client, but I will try hard.

  • Creator ID:19441
  • Gender:private
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  • Career:21year(s)
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Works

『私』と『彼』の引越しの話

──『私』。この話の主人公。語り部。つまり私自身。
 ──『彼』。私の大切な人。この話の登場人物。

 これはとても小さくて、他愛も無い。
 私と彼の、引越し前のお話。

──────────────────────────────────────────

「……それで? 引越し先の候補とか希望なんだけどさ。
 君はどんな家が良いんだい?」

 『彼』がソファに座る『私』に言う。手にはマグカップが二つ。一つは『彼』自身の物で、もう一つは『私』用。
 『私』に差し出されたカップの中にはちょっとぬるめのココアが入っていた。
 『彼』のマグカップの中身はいつもどおりインスタント・ブラック・コーヒーなのだろう。

(私にはそのインスタント・ブラック・安物・コーヒーの良さがまったく分からない。
 近所のスーパーで一袋148円の特価品なんて、娯楽品嗜好品としての存在意義すら放棄している!!)

「……白い部屋がいいの。あと、それなりに広くて。日当たりがよければなおベネ」

 『私』の横に座る『彼』を見ずにそう告げる。受け取ったココアをゆっくり嚥下。
 砂糖多めに作ってくれる『彼』のココアは私の数多い嗜好品ランキングの中でも上位に位置するくらいお気に入りだ。
 ただし、『彼』に言わせれば『私』のこの飲み方は全くもってココアに対する冒涜でしかない、という飲み方らしいが、インスタントコーヒーに舌鼓を打つ人間にはそんなことは言われたくない。

「なんともまぁ、テンプレートに過ぎる回答だね」

 あきれた、といった様子で『彼』が返事をする。『彼』のその『私』を小馬鹿にした態度というのはいつものことではあるが、『私』にとってそのいつものことはとても腹立たしいものであると常日頃から主張を続けているのだが。
 『彼』は一向にその態度を改めようとはしない。どころか、日に日に子ども扱いが酷くなっている気がしてならないし、それはおそらく『私』の勘違いではないはずだ。

「生活環境の主たる存在である家に突飛さや目新しさを求めるのは間違いだと思うけど。
 一日の中でも重要な自分の時間を過ごす空間だからこそ【普通】とか【平凡】とか【置きに行った】とか【退屈】であるべきなのよ」

 『私』の主張に『彼』がふむ? と小首をかしげる。やれやれ、どうにも職業柄頭の回転は速いはずなのに。
 『彼』は往々にして物分りの悪い部分がある。互いの意見や言葉の正確な理解は長い人生を共にするという関係であるところの『私』と『彼』にとっては大切極まりないことである。仕方ないので『私』は補足説明をすることにした。

「そりゃあテレビでやってるような、劇的な変化や見所のある家ってのは最初は楽しいかもしれない。
 けど、実際過ごしてみれば粗が目立つはずなのよ。デザイン性なんてのは乱暴な言い方をすれば動線無視の言い訳だし、面白い仕掛けなんてのは子供だましの食玩と一緒。
 られれば起動すらしなくなるなんてザラでしょ。
 貴方が最近やる、『ゲームをやろうと電源を入れるもののOPムービーを見てるうちになぜかやる気減少、電源OFF』みたいにね」

 『私』の乱暴ではあるものの要点を的確に伝えることが出来たと自負している説明に、『彼』が眉をしかめる。
 おそらくコーヒーが苦かったのだろう。
 無論、機能性、デザイン性、面白さ、そういったものをすべて兼ね備えた物件が無いとはいわないが。
 『私』と『彼』の引越しはあくまで平々凡々。生活環境の変化に伴うものなのだからそれを期待するのはお門違いというものだ。
 正直なところ、穿った物言いをすれば。雨風しのげてそれなりに平凡に快適であるなら十分。
 住めば都という言葉はあながち斜に構えた物言いではないと『私』は思っている。

「まぁ、一理ある。のかな?」

 むむむ、などといいながらコーヒーを飲む『彼』を見て『私』は内心ニヤリと笑う。
 どうやら『私』に言いくるめられたのが悔しいらしいが、それは『私』にとってはとてもとても愉快であることだ。
 『彼』は『私』を子ども扱いするが、『私』とて一人前の淑女であるのだから。たまにはこう『私』に言い負かされるのも『彼』にとって良い薬になるだろう。

「その退屈な空間に、ちょっとした小物を買ってくる。ペットを飼ってみる。家具の配置を換えてみる。
 そんな変化を自分でもたらすのよ。それが楽しいんでしょうに」

 言いつつココアを一気飲み。『彼』は顎鬚をさすりながら納得したように頷いている。
 『彼』のその顎鬚は見ている分には気に入っているのだが。さすがに少し伸びすぎている気がする。
 そのうちしっかりと剃るように言わなくてはならないだろうか。

「じゃあまぁ、君の要望に応えられるようにしよう。僕も広い家というのには賛成だし、ペットも飼ってみたくはある。
 家具に関しては今あるものを使って、足りなければ買い足せばいい」

 『彼』もコーヒーを一気飲みして、『私』を見る。『彼』の着ているワイシャツ。そのはだけた前の部分から、ちらりと『彼』の鎖骨が見えた。
 『私』は特に理由もなくそこに口付けをしたくなったので『彼』を押し倒して鎖骨に二、三度キスをした。

「……日が高いうちから積極的なことに対して僕は歓喜と後悔と情欲と驚愕の感情をごちゃ混ぜにしてみるけど、今の行為の意味は?」

 『彼』の淡々とした言葉。それは『私』の耳にとても心地よい。
 そのまま『彼』の腕に抱かれて眠りにつきたくなってしまう。
 が。それはそれで魅力ではあるものの。今の『私』的にはそれよりも魅力的なことがあるわけなのでその欲求はぽいと捨て置く。

「意味? 特に無いわ。そうしたかったからしただけ。マーキングみたいなもの?」

 『私』の言葉に、『彼』は目を瞑りため息をつく。おまけに頭を振る仕草まで上乗せだ。
 その仕草に思わずカチン。失礼なヤツだ。『私』をこんなにしたのはほかでもない『彼』自身だというのに。
 いや、『私』が誘ったのが先だったっけ? まぁどうでもいい。今更に今更な事の追求などしても生産性などありはしない。

「それはとてもとてもほのぼのとしているけどね。
 じゃあ君はなんで僕に馬乗りになって舌なめずりをした挙句、瞳を爛々と輝かせているんだい?」

 若干ジト目になりながら。『彼』は『私』に問いかける。まったく仕様の無い男だ。そんな分かりきったことを聞くなんて。
 これでは『彼』が『私』を子ども扱いするよりも、その逆のほうがよっぽどしっくりくるのではないか?

「当ててみれば? ハワイへご招待されるかもよ」

 言いながら『私』は『彼』のワイシャツのボタンを外していく。タバコとコーヒー、あと僅かに汗のにおいが鼻をくすぐった。
 好ましい臭いだ。『私』にとっては一種の興奮剤のような効果すらあるこの臭い。

「そうだ。私ペットは犬が良いわ。パグで、名前はゴエモン」

 言いながら『彼』の首元へキスの雨を降らせた。『私』にとって、これは大事な大事な儀式だ。無論『彼』にとっても。
 と、『私』は勝手に一方的に思っているが。『彼』自身がどうだか、本当のところは知らない。
 まぁ。身体が反応しているのだしあながち間違いでもないだろう。

「あぁ、そういえば君──」

 『私』の頭を撫でながら、『彼』は私に質問した。多分聞き飽きた質問だから、『私』はすでに答えを用意している。でもそれは昨日までの答えとはちょっとだけ違う答えだ。



「今、幾つだったっけ?」





「明日で11歳よ」







『お父さん』

Portfolio

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Specialty

Script Writing

Career

In the past, I have several scenarios for Novell games. TRPG master experience somewhat.

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